恐怖のトンベリオムライス(トンベリたちのお話)

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「僕たち食べられてしまうの?」
これは高地ラノシアのトンベリたちの秘密のおはなし…
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ある日の高地ラノシアでのことでした。
とっても大きなトンベリがお散歩をしていると見慣れない1枚の看板が目に入ってきました。どうやら新しくできたオムライス屋さんの看板のようです。

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おいしそうなイラストが気になって看板を読んでみたトンベリは帽子が吹き飛ぶほど驚きました。そこに書いてあったのは「トンベリオムライス」の文字でオムライスの中に自分に似た緑色のごはんが詰まっていました。

急にこわくなったトンベリは仲間におそろしいオムライスのことを伝えるため看板をもって急いでお城へ帰りました。

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お城につくとお城のトンベリたちに看板を見せて回りました。

話を聞くとトンベリたちはもう大慌て…
急いで話し合いをすることになりました。

大混乱の話し合いの中で3匹のトンベリたちが立ち上がりました。

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「僕たちが行って本当のことを見てくる!」
ですが立ち上がった3人はほかのみんなよりも少し小さめのようでした…

大きなトンベリは慌てて
「最初に看板を見つけたのは僕だから僕が行くよ。」
とひきとめましたが

「また人間とけんかになっちゃうかもしれない。小さいほうがみつからないとおもうし僕たちがちょうどいいんだ。」
と言いました。

こうして3匹はキャンプ・ブロンズレイクへ向かうことにしました。

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小さな船で対岸を目指す小さな3匹
向こう岸が近づくにつれて少しこわくなってきました。
人間は本当にトンベリを食べてしまうのかな…とか
オムライスにされてしまったら…とか
いろいろなことを考えてしまいます。

向こう岸についてからキャンプ・ブロンズレイクのまわりを見てみましたが入り口は1か所しかないようでした。

また1人の大きな兵士が入り口を見張っているようです。

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見つからないようにこっそり入ろうとすると声をかけてひきとめられました。

自分の何倍も大きい人間が立ちふさがってこういいました。
「ここは君たちの来ていい場所ではない。もと居た場所に帰るんだ。」
兵士は入れてくれそうにありません。

トンベリたちは悩んだ結果、人間にトンベリオムライスについて聞いてみることにしました。

 そして震えながら
「兵士さんはトンベリオムライスって食べたことありますか?」
「トンベリオムライスにはトンベリが入っているのですか?」

話しかけられたことに驚いた兵士はすこし考えてから
「どうするか少し相談してくるからここで待っていてほしい。」
と言いました。

代わりの見張り人をおいてどこかへ歩いていきました。

数分後、兵士はすこし優しい表情をして帰ってきました。
そして
「案内するからついてきてほしい。これは特別だからはぐれたら危険だぞ。」
といってどこかへトンベリたちを案内してくれる様子でした。

兵士についていくとそこはレストランのようでした。

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「この人がトンベリオムライスを作っているオムライス屋さんだよ」
と兵士が紹介するとトンベリたちは震えながら兵士の後ろに隠れました。

恐怖に震えるトンベリたちを見たオムライス屋さんが言いました。
「はじめまして、トンベリさんそんなに怖がらなくても大丈夫だよ。」
と…それから続けて
「兵士さんから話は聞いたよ。トンベリオムライスのことが気になるみたいだね。今のままじゃとてもこわいと思うから最初に話しておくとトンベリオムライスにトンベリは入ってないよ。だから君たちを食べたりしないしの君たちのお友達が急にいなくなってしまったりはしないから安心して大丈夫だよ。詳しいことを教えてあげるからお店の中においで」
と言いました。

お店の中という言葉を聞いて固まっていると兵士に
「大丈夫だ。安心して行ってこい。」
と背中を押されてお店の中へ…

お店の中に入るとオムライス屋さんが
「少し時間がかかるから待っていて」
と言って大きなテーブルのわきの椅子にトンベリたちを案内しました。

オムライス屋さんはほかの部屋に行って何やら準備をするようです。
少しの時間トンベリたちが待っていると隣の部屋から料理の音といい香りがしてきました。

オムライス屋さんは戻ってくると料理を大きなテーブルにおきました。

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それは看板の絵で見たトンベリオムライスでした。
中身がわかりやすく半分に切ってあるようです。

トンベリたちは驚いて固まってしまったようでした。
するとオムライス屋さんはいいました。
「そんなに固まらなくても大丈夫だよ。お店の中に呼んだのは少し静かなところでお話がしたかったんだ。」

それから続けて
「トンベリさんたちはたぶんこのご飯の緑がすごく気になっていると思うんだ。トンベリは入っていないと聞いても何からできているかは気になるよね?」
と言ってあるものを差し出してきました。

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「これはわかるかな?」
わたされたのはハーブのようでした。
「これはバジルっていうハーブなんだ。まずこれの香りをかいでみて、それからオムライスの香りをかいでみるといいよ。」

トンベリたちは言われたようにしてみるとオムライスからも同じ香りがしました。
トンベリたちの安心した表情を見てオムライス屋さんは
「こわがらせてしまったおわびにオムライスをお腹いっぱい食べていって!」
と言いました。

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恐怖でおなかがすいていたのをすっかり忘れていたトンベリたちはとてもおいしそうにオムライスを食べました。

オムライス屋さんは口の周りにごはんつぶをたくさんつけたトンベリたちを見てふふっと笑いました。

その後トンベリたちは眠くなってしまったようでうとうとし始めました。

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オムライス屋さんはトンベリたちを近くの長椅子にそっと運ぶとクッションを枕にしてあげました。

どのトンベリもうれしそうな表情で眠っています。
オムライス屋さんはトンベリたちが眠っている間にこっそり手紙を書きました。

そして夕方になって起きたトンベリたちは手紙をもって嬉しそうに帰っていきました。
トンベリたちがお城に帰って今まであったことを話すとみんな安心した表情になりました。

オムライス屋さんからもらった手紙の中にはトンベリオムライスの作り方と、オムライス食べ放題の招待状がついていました。

数日後、招待状をもったたくさんのトンベリたちがお店に長い列をつくっていましたとさ…

おしまい

 

 

〇あとがき

トンベリ大好きなのでお話をかいてみましたが兵士とかオムライス屋さんに名前を付けるかですごく悩みました。

こわい話(おそろしい料理店からトンベリたちが逃げる話)にするか悩みましたがほのぼのをとってよかったって思っているのは秘密の話

絵が下手なのはミノガシテホシイ…

トンベリオムライスの形をうろ覚えで描いたら結構違ってた…

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